いわゆる「趣味」って、昔から自信を持って言えるものは少なかった。
今でこそ「小説家になりたい」と公言し、このブログも立ち上げているが、そもそも私は本を読むのが得意ではなかった。夏休みの読書感想文なんて大嫌いだったし⋯笑。
『赤毛のアン』や、『こころ』など有名な文学作品は小学生や中学生の私には難しく、「名作」や「純文学」を読むことこそが、「読書」なのだと思い込んでいたのだ。
だからこそ、「読書は苦手」「嫌い」「無理」と敬遠していた。(国語の授業も嫌いで、成績も悪かった)

そんな私が読書を好きになったきっかけは、両親の一言だった。
「自分が面白いと思った本で良い。読みたいと思ったときに読めば良い」
目からウロコで、肩の荷がすっと降りた瞬間だった。
そこからは本屋さんに足を運び、自分が本当に好きになれるものを探す日々が始まった。まずは、漫画、その後ライトノベルを、そしてエッセイ本など⋯いつしか「買い物に行く=本屋に行く」と認識されるようになっていた。
思春期は体調を崩すことも多く、自宅療養中はベッドの中で本を読むこともしばしば。
⋯いやいや、まさか本が読みたいがために学校を休んでいたとか、そんなことは⋯笑。

そして、運命の本に出会う。
J・K・ローリング著『ハリー・ポッター』シリーズと、小野不由美著『十二国記』シリーズである。
本を読む中で、現代を舞台にした小説はあまり多くなく、だいたいがファンタジーや奇々怪々な出来事を含む作品だった。恋愛小説はほとんど読まなかった。もちろん物語の中で登場人物同士が恋愛することもあるが、それはあくまでスパイス。メインではない。
推理小説は推理する部分は面白いが、事件や人間関係のドロドロまで小説で味わいたいとは思えなかった。『十二国記』も決して軽い話ではないが、異世界転移というジャンルで、身近な女子高生が主人公だったため、すんなり引き込まれ、夢中で読み切ることができた。
こうして、非日常を味わえるファンタジー小説や、不思議な話題のある小説が好きになった。(ただし、ホラーは苦手)
だからこそ、「読書が趣味です」と大きく言えない。私の読んできた本は雑多で、興味があるものしか読まない。たとえそれが人気作でも、興味がなければ手に取らないのだ。
実際、「読書が趣味」と話したことで親しくなった男性もいたが、人気作を読んでいなかったせいで、「なんだこいつ⋯」という顔をされたこともある。今なら「人の好きな本のジャンルに口出しするな」と言えるのだが、若い頃の私は、「名作」を読めていないことがコンプレックスで、ただ謝ることしかできなかった。
そんな若かりし可愛い頃も、もう遠い昔の話⋯笑。
このブログでも、私が面白いと思った本を、これからどんどん紹介していこうと思います。
もしおすすめの作品があれば、ぜひ教えてほしいです。ジャンルは問いません。自分ではなかなか選ばない一冊が、思いがけない「出会い」につながるかもしれませんから。

コメント